2016年2月9日火曜日

シェルブールの雨傘 前編


『シェルブールの雨傘』 1964年 フランス
ジャック・ドゥミ監督が33歳の時の作品。
この映画でこの年のカンヌ国際映画祭グランプリを取り一躍有名に。

 

ヒロインのパステルカラーファッション




カラフルな色彩が印象的な映画ですが、衣装やインテリアを担当したのは、トリュフォーの『大人は判ってくれない』やゴダールの『女は女である』等を手掛けた美術監督のベルナール・エヴァン。
ヒロインのカトリーヌ・ドヌーヴの衣装はパステルカラーにして、背景や脇役の服装は原色や黒を配して、ヒロインの可憐なイメージを際立たせました。



白いコートと手袋、クラッチバックできちんと感あるお出かけスタイル



上記の白いコート、開けて着てもフロントボタン部分のデザインが可愛いです。




デートの時はピンクのコートに黄色のリボンで可愛らしく




ギンガムチェックのワンピースを黒いリボンと靴を合わせて。髪が美しいブロンドなのでちっとも重くなりません。


カトリーヌ・ドヌーヴは当時21歳。この撮影に入る前に当時の恋人ロジェ・ヴァディムと別れ、未婚の母となったばかりだったのです。

戦争によって翻弄された若い女性の苦悩や悲しみを見事に演じ切ったのも、私生活でも複雑な思いを抱えていたからでしょう。

ドヌーヴは一人で子供を育てるためにこの映画に出演したそうですが、映画を撮り終えた後「初めて自分というものに目覚めた」とこの映画との出会いを語っています。

逆境を見事にプラスに変えていったカトリーヌの強さに憧れます。