トレンチコートの着こなし
この映画ではトレンチコートの着こなしも見どころの一つです。
トレンチコートは元々、軍用のコートとして開発された歴史があり、「ギャバジン」という綿に防水加工をした素材で作られていて、雨風に強くレインコート的な役割も果たします。
シェルブールの雨傘は名前の通り雨のシーンが多いです。小雨が降っている時や雨上がりのシーンで、カトリーヌ・ドヌーヴ扮するヒロインはたびたびメンズライクなトレンチコートを着ています。
ベルトをサイドに垂らして着ています。こういう着方もアリなんだ、と衝撃を受けました。
恋人を戦地へ送り出すシーンでもベルトは締めずにラフに着ています。本当に向こうではレインコート感覚なのでしょうか?
こんな日は恋人ギーもわかりにくいですが、かしこまった格好をしています。
このヒロインが着ていたコートは、たびたびあのチェックの裏地が見え隠れしていたので、おそらくバーバリーのものと思われます。
マタニティドレスはドヌーヴ自身の私物だった
この映画の作品の前に出産をしたばかりだったドヌーヴ。この映画に出てくるマタニティドレスはドヌーヴ自身の私物を使ったそうです。
ニットのドレス。さりげないスパンコールが素敵です。
こちらも色彩が美しい花柄ワンピース。ドヌーヴさん、もしやブルーがお好きなのかも…。
カジュアルな雰囲気の淡いブルーのワンピース。頭のリボンと色を合わせていて可愛い。
赤いコートは前編に登場した白いコートと同じデザインな気がします。フロントボタン部分が似ています。
こちらの傘屋さんのディスプレーも素敵です。インテリアも素敵なのでご紹介したいところですがそちらはまたおいおいしていきたいと思います。
最後に数年後のヒロイン。
可憐で憂い顔の少女から、大人の女性へ。
二人にとって本当の幸せとはなんだったのかはわかりません。
あらゆる事を経験すればするほど、幸せの概念は変わってきます。それを世間ずれというのかも。
歳をとって見るほど、見た後に考え込んでしまう映画です。